恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
◇
「杏。映画行くぞ。」
は?
「ちょ…待って。無理だよ。わたし今日約束ある。」
ゴールデンウィークの初日、朝から碧斗がずかずかとわたしの部屋に入ってきた。
わたしは、ちょうど着替え終わったところで、そろそろ家を出ようかとしていたところ。
「は?」
碧斗がわたしの頭の上から足の先までを眺める。
「な、なに?」
なんかおかしいのかな?
「って…!」
碧斗の顔が怖くなったので、怒鳴られるのだと思って、目をつむった。
「そ…うかよ。じゃ…仕方ないな。」
え?
目を開いて碧斗を見た。
いつもだったら…
「俺の誘いを断るなんて100年早いんだよ。バカ!早く用意しろ!」
とか言うところだ。
なのに…仕方ないって…?
そんなことってある?