恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
チラッと母さんを見ると、今から夜勤に出るらしき服を着ていて、言いにくそうな俺を見て、カバンを持って立ち上がった。

「じゃ。行ってくるわね。碧斗。あとお願いね。」

そして、さっさと出て行ってくれた。

2人きりになったら、また怯えたように構える杏。

「待ってくれ。杏。あの日は悪かった。頼むから…そんなに怯えんな。」

杏を見るとそれでもビクッと俺の声に反応してる。
いや、マジで…杏…俺…

「もうしないから。下僕もなし。昔みたいに…頼むから笑ってくれよ。俺…お前に避けられんのは…体真っ二つに引き裂かれるかって思うくらいつらい。」

「え?」

杏がはじめてまともに俺の目を見た。

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