恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「ご、ごめん!」

慌てて杏が立ち上がろうとしてもがくけど、もがけば俺の体に杏の胸がグイグイ押しつけられてきて、もう我慢できなくなる俺。

けど…さっき約束したし…。
もうしないから…避けるなって…
だからここでまたキスしたら…せっかく仲直りできたのが…水の泡になる…

「杏。暴れんな。」

「え?けど…」

「暴れたら、余計くっついちまうから…大人しくしろって。」

そしたら、杏が真っ赤になって…大人しくなった。

そして、そんな杏を俺は両手でヒョイと持ち上げた。

「ったく。朝からドンくさいって。朝飯。パンでいいぞ。」

そのままヒョイと床に下ろして座らせ、俺は杏のベッドに横になり、壁側を向いた。

「しばらく寝るから。30分後に起こして。」

こうでもしないと、襲ってしまいそうだ。
ただでさえ…朝から寝起きの顔見てるだけでヤバイのに…

「うん。」

杏がしおらしく答えた。

「あの…碧斗…今日はありがとう。」

そしてパタリとドアが開く音がして、部屋を出ていく杏の音。

杏の言葉が今までみたいにおびえてなかった…。
ほんとにやわらかい昔みたいな…俺を気遣う…声…

< 97 / 255 >

この作品をシェア

pagetop