大好きな旦那様と離婚に向けて頑張ってます?!【完】
「うーん、そんな感じには思えなかったけどなあ」

「お前なあ……。箱入り娘な所があるもんなあ」

「あ、それ、秘書課の人にも言われた。いきなり忠告しに来ても怒らないんですね、って」

「そうなのか?まあ、善意の牽制だったのかもしれないしなあ」


 その場にいなかったから分かんねえな、と今度は涼が首を傾げる番だった。
 むしろ秘書課の眞木さんって人よりも、その後の麗奈の追及の方が大変だった。


『前に専務と一緒に社食食べたじゃない?基本的に来客とか同じ会社の人に対してスムーズに対応できる美咲が、なんであんなにしどろもどろになってるんだろうって思ってたのよ』


 そんなに自分の言動が分かりやすかったとは思わなかった……。恥ずかしい。麗奈には共通の友人を通して前々から知り合いで、恋人同士になったのは最近だと話している。一応嘘は言っていない。大事な事も言っていないけど。

 麗奈はご飯の約束を取り付けた営業部の出世頭と付き合い始めたらしい。もうスピーディーすぎて情報すら追い付けない。

 麗奈曰く、良い男は早々にいなくなるから早いうちに捕まえとかなきゃ!なんだって。合コンとか行きまくってたし、改めて私には縁遠い話だなあと思ってしまった。合コンは漫画の中の出来事みたいな感じだったから、ちょっとだけ興味があったんだけど。
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