20年越しのラブレター
はぁ…

思わずため息が漏れる。

「仕方ない。
 じゃあ、最後の手段。
 パーティが終わるまでに、
 思い出せなかったら、何でも言う事を聞くん
 だったよね」

あっ…
と、紬の表情が固まる

「俺と付き合って。
 絶対に幸せにするから。
 家や職業なんて関係ないだろ。
 俺が紬を守るから」

それでも、紬は不安そうな表情を浮かべて、俯いてしまった。

俺は紬の手を取り、玄関傍にはめ込まれた鏡の前に連れて行った。

「紬、背筋を伸ばして、胸を張ってごらん」

素直な紬は、言われるままに背筋をピンと伸ばす。

「紬は自信を持っていい。
 紬は世界一の女の子だよ。
 俺なんかが足元にも及ばないくらい。
 だから、お願い。
 俺と付き合ってください」

鏡越しの紬は、自信なさげな表情から、徐々に明るく晴れやかな表情へと変わっていく。

そして

「私でよければ… 」

と頷いてくれた。



俺の初めてのラブレターから20年。
初めてのプロポーズから20年。

折に触れ、ずっと気になってた女の子。


俺たちの幸せはここから始まる。


─── Fin. ───
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