エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「あいつ、空手でインハイ優勝してるって知ってた?」
恭吾さんに聞かれるが、晶さんが空手をしている姿が想像できない。
「えーと、女子の部じゃなくて……?」
自分でも違うと思ったけど、あえて確認してみた。
「男子の部だよ。女のふりして女の子の警戒心をなくしてるんだよ、晶は。だから、葵はもっと用心しないとダメ。それより口紅を塗らないとね」
恭吾さんは口紅のキャップを外し、私の顎をクイと掴んで顔を近づける。
彼の顔がドアップで目に飛び込んできてドキッとした。
晶さんの時はこんなに顔が近づいてもなんとも思わなかったのに、なんで?
「ち、ちょ、恭吾さん、私が自分で塗るからいいですよ」
恭吾さんと距離を取ろうとするも、彼は楽しげに笑った。
「いいから。俺、結構器用だよ」
そういう問題じゃない。
なんだか息苦しい。
彼の顔が目の前にあるから、どう呼吸していいのかわからなくなった。
彼が私の唇にゆっくりとルージュを引く。
それだけのことなのに、何分も時間がかかったような気がする。
恭吾さんに聞かれるが、晶さんが空手をしている姿が想像できない。
「えーと、女子の部じゃなくて……?」
自分でも違うと思ったけど、あえて確認してみた。
「男子の部だよ。女のふりして女の子の警戒心をなくしてるんだよ、晶は。だから、葵はもっと用心しないとダメ。それより口紅を塗らないとね」
恭吾さんは口紅のキャップを外し、私の顎をクイと掴んで顔を近づける。
彼の顔がドアップで目に飛び込んできてドキッとした。
晶さんの時はこんなに顔が近づいてもなんとも思わなかったのに、なんで?
「ち、ちょ、恭吾さん、私が自分で塗るからいいですよ」
恭吾さんと距離を取ろうとするも、彼は楽しげに笑った。
「いいから。俺、結構器用だよ」
そういう問題じゃない。
なんだか息苦しい。
彼の顔が目の前にあるから、どう呼吸していいのかわからなくなった。
彼が私の唇にゆっくりとルージュを引く。
それだけのことなのに、何分も時間がかかったような気がする。