エリート弁護士は独占愛を刻み込む
「今更遅いよ。昨日じっくり見たし。言っとくけど、葵が勝手に服を脱いだんだからね」
その声はすごく楽しそうでイラッとした。
あー、恭吾さんの前で服脱ぐなんて私のバカ!
「それでも見ないでくださいよ!」
服を畳んだのは恭吾さんだ。
「無茶言わないの。まずはシャワー浴びてスッキリしたら?」
ポンと私の頭を叩いて恭吾さんはクスッと笑いながら洗面所を後にする。
「言われなくてもそうします!」
彼が消えたドアに向かって怒ると、洗面所の鏡を見た。
「ああ〜、ショック。昨日化粧も落としてない。肌がボロボロ」
私……気持ちが緩んでるのかな?
恭吾さんが一緒だと身内のような安心感があって、昨日バーで飲んでても酔い潰れたらどうしようとか全く考えなかった。
でも、身内のように思ってるなら、キスされる夢なんて見る?
ああ〜、考えるな。
なんだか頭痛がしてきた。
「シャワー浴びて頭冷やそう」
コンタクトを外して化粧を落とすと、シャワーをさっと浴びて身支度を整える。
< 88 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop