お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
その部屋の扉を開けなきゃいいのに、なぜか気づいたら扉のノブに手をかけて開けてしまった。
ガチャっと音を立てて、
そのまま中を覗いてみたら。
ベッドの布団が少し山になっていて、誰か眠っているのがわかる。
あぁ、やっぱりまだ寝てたんだ。
鍵もせずに寝てるなんて無用心すぎるよって、再び心の中で思った直後。
「……ん、暁生……?」
鼓膜を揺らした声は
暁生先輩のものじゃなかった。
自分ってほんとついてない。
そもそも部屋になんか行かなきゃよかったのに。
鍵を置いてさっさと帰ればよかったのに。
この部屋を開けなきゃよかったのに。
後悔ばかりが胸の中を支配して、
同時に胸に抱えていたものがさらに重くなった。
「あきぃ……いないの〜?」
甘ったるい声。