Dangerous boy
それを作ったのは、本気で好きになってくれた部長の気持ちを、踏みにじった私のせいであって。

「……っ。」

勝手に涙が零れた。


そんな私に、部長はハンカチをそっと、差し出してくれた。

「えっ……」

「泣くなよ。泣きたいのは、俺の方だよ。」

「そうですよね!すみません!」

謝ると、また涙が出てきた。

「ああっ、ったく!」

部長は、差し出したハンカチで、私の目をゴシゴシ拭いた。

「おまえって奴は!振った事を泣くなんて、おまえくらいだ。今後は、やめておけよ。」

「だって……」

「だってもあるか!隙をついて、抱きしめるぞ。」

驚いた瞬間、涙が止まった。


「何だよ、そこで涙が止まるのかよ。この前はあんな……」

「ひゃっ!い、言わないで下さい!」

この前のエレベーターの事を思い出して、また顔が赤くなった。

「忘れて下さい。あの時の私は、どうにかしてたんです。」
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