完璧美女の欠けてるパーツ
第二回 作戦会議。
大志は同じビルの中で働く男性を8名チョイスしてくれた。
弁護士、営業マン、IT関係……などなど。
「独身で彼女がいない人を探すのが難しくて」
「いえ、大変だったと思います。お仕事もあるのにありがとうございます」
「もしかしたら、恋人がいる可能性がある人もいるので、梨乃さんが気に入る人を選んでくれたら、もう少し僕が掘り下げて調査します」
お通しの小鉢とジョッキを寄せて、テーブルに8つのファイルを広げる。ご丁寧に下手だけど隠し撮り画像もあった。ここまでさせて本当に申し訳ない。
「収入と容姿を重視しましたが、性格がいまひとつつかめないので、問題はそこなんですよね」
「性格はどうでも……」
「どうでもよくありません!梨乃さんが幸せになるには一番重要です」
また怒られてしまった。
「はい。すいません」
パラパラとファイルを見るけど、うちの会社にもいる、自信を持ちすぎる営業マンみたいなのが並んでいて、ファイルから圧を感じてしまう。
「僕のオススメは、こちらの33階にオフィスを構えるIT関係の社長はどうでしょう?5年前に立ち上げて独立し、今は会社も安定して収入もあり社員は80人前後です」
「はい」
そこそこのイケメンだ。
「こっちの歯医者さんもよさそうですね。評判のいいデンタルクリニックで、歯のホワイトニングで通われるのも手だと思います」
「はい」
居酒屋の一室が結婚相談所と化す。