浮気男のシンデレラ
その日夕方には退院した。


連絡を受けた両親は海外に住んでいる
知らせは当然部長の方へ連絡が行く。



知らせを聞いた部長が、迎えに来ると
言うのを断り一人マンションへと帰っ
てきた。

いっまでも子供扱いにはほとほと呆れ
てしまう。

俺が中学の時知り合った
大仏恋子
(おさらぎ、恋子)

いっまでも姉の様な存在、彼女は
俺の祖母が立ち上げた、オーキッド
化粧品の部長をしている。


俺は祖母からまかされ、父親を社長
俺が副社長をつとめている。


しかし父親は雅楽代コンツェルンを
祖父から世代交代になり受け継いだ
為、今はオーキッド化粧品は全部、
俺がまかされている。
部長や、秘書は俺の右腕だ。



部長は40過ぎて50近い、口うるさく
可成の美人。
見かけは30半ば、確かに美魔女だ。


しかし姉のように厳しい、遊んでぶっ
倒れた事は診断書より詳しく耳に入っ
てる事だろう。


たまに部長は合コン設定してくる。
父親と相談づみで、しかし雅楽代
グループの跡取りでは無く、ダサい
服装をさせられ、平社員の設定。


知らない奴らの中にぶち込まれ、
つまり合コン男子とも初めましてだ。



しかしダサくても、持って生まれた
女好きの性格がこうじてか可成モテ
てしまう。

気に入った子がいればグイグイ

化粧品のアンケート、細かな質問を
するし、いやいやこれは部長命令。



何処の化粧品が一番好きか?
どんなのがあったらいいか?
何を使っているか?
生の声を聞いてこいテキナ。




しかし、もうそれもいいかな?と思う。
彼女の存在を知ってから興味が
無くなった。






金曜日の夕方6時、ドカドカと悪友達
が尋ねてくる。


金曜日恒例行事飲み会という名の
合コン俺は先週の出来事でしばらく
合コンはパス と連絡したのに・・・‼


やはり連れに来たか・・・。

「オウッ‼慶一道、生き返ったか?」

副社長室のドアがバアアアンと景気よく広がる。




「まだ仕事中お引き取りください。」


右手をシッシッシッと振りジローっと見る。


武蔵野 蒼太27歳
武蔵野総合病院の跡取り
西野防 鷹斗27歳
全国規模不動産会社の跡取り



そう俺たちは生まれながらのボンボン
幼稚園から大学迄連れ添った
兄弟みたいな存在、お互いの事は
よく理解している。



後8人幼少期からの仲間がいる。
言わゆる腐れ縁で繋がった悪友って
奴だ。


鷹斗はそんな悪友仲間一番手で結婚
を決めた、二個上の看護師佳代ちゃんだ。


皆離婚は目に見えていると反対したが
鷹斗がゾッコン参ってしまいゴールイン

しかし、夜勤の日、1日1人は寂しいと
また俺らの元へと舞い戻ってきた。




夜勤の日だけの約束で、バレ無い
ように気を使いながら、
そんな姿を見れば悪友全員、
鷹斗みたいに遠慮しながら
結婚は・・・嫌だと遠ざかっている。


鷹斗はキリリとしまった顔のイケメン
涼しい顔で背が高く日本男子と来れば
大抵の女の子はメロメロン。


蒼太も柔らかいキャラメルブラウンの
髪を刈り上げて、女の子みたいな
可愛い童顔。
そのギャップを乗り越えて腕気きの
外科医‼ これも背が高く金持ち、
と来ればモッテモテ。



俺たちはモテまくる事を武器に、
あちこちで遊んでいる。

今遊ばなくて “いっ遊ぶの“ を
スローガンに独身バンザーイ
的な・・・モテ男の特権。


キリリとした薄いメガネを人差し指で
ツンとあげ眼鏡の奥から涼し気な目を
向ける彼は
第一秘書、彼は勉強しまくり今の
地位迄登って来た。

教科書に真面目人間ベスト10があるなら、必ず上位を勝ち取るだろうな、
的な真面目くん。


「では、副社長今日はこれで
終わりまし ょう。」


「あ‼待て山岡、部長には・・・な‼」


俺は人差し指でシッと人差し指を
口の前でたて悪友が来た事を口止めを
する。


「分かりました・・・が
この間のような事がありますと
お約束は出来かねます。
程々にお楽しみください」



山岡はピッと背筋を伸ばし45°号令が
かかったように、鷹斗や、蒼太に
腰をおり、ピーッピッピッピーと
笛の音が聞こえそうな態度でビシッと
静かにドアを閉め出ていった。


ハアアァアフエ〜〜

「毎度こっちまで、身体にちからが入
るワー 、真面目過ぎて
疲れないのかな〜‼俺たちだって
見てて疲れる〜。」


俺はハハハと笑いながら
「山岡は信用なるし、あれで案外良い
奴 なんだよ。」


そう俺は彼を信用している。
厳しいけどあの大仏部長に育てられ、
ついてきた数少ない人物だ。

パタンとしまったドアをじーっと見る。


3.2.1、

ヨシャャャヤヤ、

「行ったぞ‼
おー、お前この間の子、どう
だった、ん〜ん〜話せ‼
メチャ可愛いかったよな。」


「ソソ、お前の本命になるか?
とか皆 噂していたぞ。」



「言え、どーだった!良かったか?」


冷やかしながら2人は聞いてくる。
俺に取っては、本気で思い出したく
ない黒歴史、今度顔みたら、血見る
レベル。










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