浮気男のシンデレラ
ジングルベルが町中に流れる12月
病院も何かと慌ただしい。

陽和は救急外来から脳神経外科に移動
になった。先生の秘書が、旦那さんの
転勤で、付いて行く事になり、その穴
埋めに陽和が抜粋された。

普段中のいい、高校の先輩、西野防鷹
斗の新妻佳代さんが推薦してくれたの
と思う。救急外来は苦手と話していた
から手を回してくれたのかな?。


然し脳神経外科の先生は理事長先生で
武蔵野蒼太の父親なのだ。

遠回しに話をきいてみたら
先生と、蒼太は病院内じゃ接点が
無いらしい。

それを聞いてホッとする。


武蔵野先生は、ロマンスグレーの
優しい先生だ。
普通の品のいい、オジサンだけど
信頼され尊敬されている。


チャライ蒼太に、自分が秘書だと
バレたら慶一道に話がまわりそうだ。

変装用のメガネをポケットに入れて
仕事をするようになった。


ヴヴヴ ヴヴヴ ヴヴヴ

ポケットの携帯がなる。
重たい気分の会議が終わりホッとして
副社長の椅子に腰かけグルグル椅子を
まわす。


「もしも〜し、疲れてんだよ。

「やっと出やがったなー‼
今日合コーン
今日プリンセスホテルKに18:00
欠席不可。」

「はー‼今度はお前か?
優希‼ 」

金、土の恒例行事

「いやいやいや、おマイラいい加減に
しろよ。なーんども言うが俺、
狙ってる子いんだよ。
頼むぜ‼
ただの男集まりの食事なら行くぜ!

正直おマイラと合コンの後、ろくな
事ないんだよ。

一回目、アル中事件

二回目、ラブホ、置き去り事件。

流石に流石に3回目はコワイ。

無理━━━━━━━━━━り‼
なにがあるか、分かんねーシッ。

怖い怖い‼

「慶一道、お前なんて勿体無い。
この間の20代後半じゃないぞ〜
ピッチピチピチの前半、前半‼
しかも〜女子大生ピチピチ‼


「俺らも若い子と付き合っていると
若返るかもな‼」




「じょじょ女子大生?って・・・

・・・ホ.ン.ト.
「ホント本当だよ。
皆、可愛らしいぞ!
写メ送るワ」

「 オー行く行く。」








「陽和ちゃん、診断書とかOK?
終わった?」

「はい。事務に回せば
終わりです。」

「先生が食事連れて行くって
プリンセスホテルKの、和食だってー
お肉もお寿司も最高なんだよね。」


「そうそう、シャブシャブもリクエス
トしといたよ。」


「ヤッター最高じゃないですか‼でも、
穂花と食事の約束してたんで、折角
なんですが《あー、穂花ちゃんね。》
《いーよ1人2人余裕。いこいこ‼》」

「え、いいんですか?」

「うん、何時も何人か混ざるから
大丈夫、先生の了解とっとくよ。」

「ヤッター穂花も喜びます。」

「よいよい。大病院の先生出し‼
小さい事はナシナシ。」


「オット‼」

佳代さんの携帯がナース服のポケット
で震えた。

「えーまたぁ、
まあいいわよ。私も科の飲み会だか
ら もちろーん。
先生の奢り。ちゃんと00:00迄には
帰ってよ。
頼んだからね。💢^ω^」

どおやら佳代さんの夫も飲み会?
って事は慶一道もいっしょか?
好きだょね﹏﹏w


陽和は初めてのプリンセスK、高級
すぎる久しぶりの和食‼
高級肉、高級肉

淡い藤色の着物を着た女将さんが案
内してくれる。
当然先生は女将さんと仲良し。

テーブルいっぱいにお造りが並ぶ
佳代さんのリクエスト和牛、陽和の
リクエストシャブシャブもある。

キャッキャキャッキヤ女の子のテンションも
MAX先生もなんだか楽しそう。

20人に膨らんだ食事会は楽しく終わ
った。

先生はこれから奥様とBARで飲むから
とエレベーターへと歩き出した。

フッと振り返り

「君達も来る?」

お見送りに出たのに、気さくに
微笑んで誘ってもらえた。

皆テンション上がって付いて行く事
にした。
先生の奥様にご馳走になったおれい
とご挨拶に行くことにした。


奥さんとのデートの邪魔かな?
と思ったが
意外に先生が嬉しそうなので、佳代さん、陽和、穂花で付いて行く事に
した。




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