愛というもの~哀しみの中で~
「抜こうか?そんなに痛い?」

何も言わずに泣いている私を心配して慌てて体を離そうとするから慌てて、私も大吾の背中に手を回ししがみつく。

「痛いけどいい。大丈夫。このまま。」

「でも泣いてる。」

「うん、幸せだから。こんな日が来るなんて…うぅっ」

あの男との行為とは違う。
はじめこそ抵抗したけど半ばからは抵抗することさえやめ、心が冷たく凍りついたようだった。
でも今は違う。心の奥からじわっと温かい何かが溢れてそれが涙になって溢れている、そんな感じだった。

「俺も、俺も幸せ。一生大事にするから。」

私を見下ろす大吾の目から涙が降ってきた。
その涙は私の涙と混ざり合って耳へと流れていった。
それさえもうれしくて笑うと、大吾の顔が近づいてきてやや強引にキスをされる。
大吾の舌がしきりに私の口内を舐め回す。

「茉莉、ごめん…動く」

顔を上げた大吾は欲情しており、初めてみる表情だった。
そんな大吾に私の体は反応し、下腹部あたりがじわっと温かくなった。
わたしは頷くと大吾の背中にしがみつく。

初めはゆるゆるとゆっくり動いていたがだんだんと激しさが増してくる。
大吾は私が他の誰かと間違わないように絶えず耳元で名前を呼んでくれていた。
私は徐々に痛みを忘れ、何か違う感覚が溢れてくるのを感じていた。
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