愛というもの~哀しみの中で~
「初めての家族か。俺頑張る!きっと茉莉と会えてなかったらこんなにまともな人生を送ってないと思う。俺を選んでくれてありがとう。死ぬまで離さない。」

そう言って私を抱きしめる腕に力が入る。

「死ぬまでって私より先に死んじゃダメだよ。また一人になっちゃう。」

「ならないよ。この子がいるだろ。茉莉はもう一人にはならないよ。俺は茉莉が先に死ぬのは嫌だ。茉莉のいない人生は1日だって考えられないから俺が先に死ぬ。」

「ハハハッ、その意味不明な宣言辞めて。私だって大吾がいない人生なんて考えられないよ。」

私は両手で大吾の胸を押して体を離すと怒って大吾の顔をみる。
大吾は少し泣きそうな顔で笑っていた。

「これだけは譲れない。でも冗談抜きでこれだけは聞いて。もしも俺が事故とかで先に死んでしまったら子供のこと頼むな。そしてその時は俺のことたまには思い出して、別の誰かと幸せになってほしい。茉莉には死ぬまで幸せでいてほしい。でも茉莉を幸せにするのは俺でありたいと思ってる。」

「嫌、私は大吾以外の人とは幸せになれないから。じゃあもし私が先に死んでしまったら大吾も私のことをたまに思い出して別の誰かと幸せになってね。子供のこともよろしくお願いします。」

なんだか話が変な方向に進んでいっているような気がする。
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