愛というもの~哀しみの中で~
19
翌日は葬儀が行われた。朝にはお腹が大きくて大変なのに由実ちゃんが早くから来てくれていていろいろと私や恭吾のお世話をしてくれた。
由彰くんも連れてきていて座敷の控室は二人が遊びまわる声が響き渡っていた。
きっと大吾も二人の声を聴いていつものように笑ってくれているだろう。

式はスタッフの方たちの助けによってすべてがスムーズに進んだ。
喪主挨拶は私がしなければならなかったけどどうしても何も言葉にできずに喪主代理としてお義兄さんの真さんがしてくれた。

とうとう出棺の時がきて、私は大吾の遺影をもって大吾と一緒の車に乗った。
火葬場でも真さんが挨拶をしてくれ、どうしても点火ボタンを押すことができなかった私に代わって押してくれた。
もう本当に写真でしか大吾の顔を見ることができなくなってしまった。
どうしよう、どうしよう、
私は火葬場でもパニックになってしまい、過呼吸をおこしてしまった。
中学生の頃によく起こしていたけど大吾と出会ってからは一度も起こしたことはなかった。
そんな私のそばに常に由実ちゃんと昌くんは寄り添ってくれた。

恭吾は真さんにべったりでずっと抱っこしてもらっていた。
何となくパパとはお別れだってわかったのかな?パパみたいな真さんから離れようとしなかった。
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