愛というもの~哀しみの中で~
その日は遺骨をもって家に帰った。
私は大吾を見送った朝、仕事に出て以来初めて家に帰ってきた。
いろいろと必要なものは由実ちゃんに鍵を預けていて持ってきてもらっていたから。
大吾と暮らしていた家に大吾だけいない現実を目の当たりにしてまた泣いた。

由実ちゃんと昌くんと由彰くんが一緒に帰ってきてくれて家の中は賑やかだった。
いろんなところに大吾の生きていた気配があるのに…。
義両親とは会場で一緒に食事をして一旦別れた。
近くにホテルを取ってあるらしく、昨日から休んでなかったから今日はもう休むと帰って行った。
明日、大吾が生活していた家を見に来ると言っていた。
これからのことも話し合いましょうって言っていた。
何を話し合うのかな?私は親族がいなかったので何をどうしてよいのか全く分からなかった。

夜は由実ちゃんのお母さんが夕飯を作りに来てくれた。
子供たちのご飯を何も用意していなかったから本当に助かった。
お風呂は昌くんが二人を入れてくれて、寝かしつけてくれた。
いつもは4人でベッドに入り寝るまでおしゃべりしていたのに…。
ただただ途方に暮れていた。
どうやって生きていったらいいのかわからなかった。

『この子がいるだろ。茉莉はもう一人にはならないよ。』

大吾がプロポーズのときに言ってくれた言葉。もし自分が死んでもって話をしていた。
あの時は本当に先に死んでしまうなんて考えてもなかった。
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