愛というもの~哀しみの中で~
やはり真さんの腕の中は気持ち良くて、いつの間にか眠っていたみたいだった。
目が覚めるとベッドで寝ており、真さんに抱きしめられたままだった。
恭吾も私の横でぐっすりと寝ており、朝まで起きなかった。
私は何とか真さんの腕の中から出ようとすると私を抱きしめる腕に力が入りすり抜ける事ができなかった。

結局目は覚めていたけど朝まで真さんの腕の中で過ごした。

「おはよう。眠れた?」

真さんが目を覚まして挨拶すると、ぎゅーっと抱きしめられおでこにキスされる。
何だか私の気持ちが追いついていってないのに真さんはぐいぐいと近づいてきている気がする…

「おはよう。夜中に目が覚めてからは離してくれないから動けなくて眠れなかった。お願いだから離して。」

「ハハッ、無意識のうちに腕に力が入ってたのかもな。逃げないように。」

笑ってそう答えるけど、私のお願いは聞いてくれず離そうとはしてくれなかった。
私は腕の中でもがいてみたけど真さんは笑いながら眺めているだけだった。

「ねぇ、離してって言ってるの。」

見上げて睨むと、またおでこにキスをされた。
遊ばれてる…

「もうっ、どうしたら離してくれるの?」

「じゃあ、茉莉さんからキスして。」

いきなりのこの距離に戸惑う…
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