愛というもの~哀しみの中で~
「嫌、私は大吾としかキスしたくないの…」

「うん、それでいいんだ。一番は大吾でいい。でも俺も茉莉さんの心の中に入れてよ。」

そう言って真さんからキスをしてくる。
私は嫌がる素振りを見せるけど抵抗らしい抵抗はせず受け入れていた。そんな自分に戸惑って大吾への罪悪感が増していった。

「やめて…嫌なのに…」

「フハッ、うん、俺が無理矢理してることだから茉莉さんは悪くない。それでいい。」

真さんの言っている意味が理解できなかった。
でも、その言葉に少し気持ちも楽になる。
そうだ、私は受け入れてるわけじゃなくて無理矢理されてるんだ…

横でそんなやり取りをしていたから恭吾も目を覚ます。
むくっと起き上がると隣でくっついて寝ている私たちを見て嬉しそうに飛びかかってきた。
二人で遊んでると思ったみたいだった。

「きょうちゃんも、たたかう。」

なんて戦いごっこしてると思っている。

「こいっ、負けないぞぉ~!」

と真さんも恭吾に合わせて戦いごっこを始めた。
やっと解放された私は急いで二人の間から抜け出してリビングへ行く。
顔を洗ってリビングに戻ってもまだ寝室で二人は遊んでいた。
賑やかな朝につい顔がほころんでいることに気づく。
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