愛というもの~哀しみの中で~
「ううん、私、今もすごく大吾を好きできっと帰ってきたら大吾を選ぶと思う。でも、でもね、もし許されるなら真さんといたい。もう真さんにまでいなくなられたら私生きていけない。」

大吾、ごめんね…。
私の目からは涙が流れて止まらなくて、ぐしゃぐしゃの顔のまま自分から初めて真さんにキスをした。
頂上のジンクス…神様、お願い、もう誰も連れて行かないで。そして、大吾をどうかよろしくお願いします。

「あっ!きょうちゃんもっ!」

外を見ていた恭吾がキスをしている私たちに気づいて二人の間に飛び込んでくる。

「恭吾は好きな子ができたらな。」

「きょうちゃん、ママもパパもまこちゃんもすきっ。ヨッシーもアッキーも。」

「フフッ、ママも恭吾が大好き。」

それから下に着くまで恭吾はゴンドラが揺れるのが楽しくて行ったり来たりしていた。
外に出て由実ちゃんたちと合流すると、

「ヨッシー、ママとまこちゃんチューしたんだよ。きょうちゃんもヨッシーとする。」

って大きな声で言い出すから顔から火が出るかと思うくらい恥ずかしかった。
由実ちゃんはニヤニヤと私の顔を覗いてくる。

「おい、男同士ではやめておけ。大きくなっても由彰としたかったらその時は許す。」

なんて昌くんは変なことを言っていた。
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