愛というもの~哀しみの中で~
「私やっぱり大吾が好き、愛してる。でも…自分でも信じられないけど、真さんのこともすごく好き。」

真さんは私の言葉を聞いて小さく笑った。
その顔がたまらなく愛しくて私はキスをした。
顔を離そうとすると後頭部に手を回されて止められた。
唇が触れるか触れないかの距離で止まったから真さんはおでこをスリスリしてきた。

私はもぞもぞとしたくすぐったいような感情が胸に溢れて小さく笑った。

「俺も好きだよ。いつかさ、俺にも愛してるって言って欲しいな。」

「フフッ、いつかでいいんだ?」

「う~ん…今言われても本物じゃないからいいよ。大吾にはまだまだ敵わないってわかってるよ。」

真さんが私の唇を優しく食むと、私の口内に舌を入れてきた。
昨夜のことを思い出して不安になり真さんの服を掴む。でもやめたくなくて私は唇を離さなかった。

昨日とは違って優しく口内を舐め、ゆっくりと、舌を絡め合うと唇は離れていった。

「はぁ、疲れたから今日は寝ようか。」

そう言ったのに私の胸に顔をくっつけるように抱きついて離れる様子がなかった。

「お風呂わかそうか?」

「いや、もう茉莉さんも疲れてるだろ?シャワーでいいよ。一緒に入る?」

「えっ?無理。それに恭吾が起きたときに誰も見あたらなかったら、心配するよ。」
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