愛というもの~哀しみの中で~
きっと大吾はいい気分ではないのに私に優しく笑ってくれる。
自分でも驚いたけど、私は自分から大吾に抱きついていた。そのまましばらく子どものように泣いた。

「よしよし、怖かったよな。怖くて当たり前なんだ。これからは俺が守るから。」

泣いている間、大吾は私の頭を撫でてくれていた。
しばらくすると私は落ち着き、暑い中抱き合ってるから2人とも汗だくなのに気が付いた。

「2人とも汗すごいね。フフッ、ありがとう大吾。とりあえず今は大丈夫。」

私は立ち上がると大吾の手をとり家の中に連れて行った。
すぐにエアコンをいれ、麦茶をマグカップに入れると2人並んでキッチンで飲み干した。
その光景が色気も何もなく可笑しくて私は笑った。
そんな私を大吾は愛おしそうに見つめてくれてた。

「もう遅いし俺は帰る。引き止めてくれて嬉しかった。最高の1日だったよ。これからこんな時間を積み重ねていこう。」

「うん、ごめんね…ありがとう。」
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