愛というもの~哀しみの中で~
きょとんとした顔でこちらを見て、ハンバーグをほおばった。

「いえっ、そのっ、セッ、セックスです。」

「ブッッッッ!」

由実ちゃんはほおばったものを吹き出しそうになり慌てて手で口を押さえた。

「茉莉ちゃんがそっちの話すると思ってなくて、ごめん。待って。」

そう言って手元のメロンソーダをグイッと飲んだ。

「そっか、彼氏とまだって言ってたもんね。あるよ。そんなに沢山の人とはないけど、付き合ったらすぐしちゃうかなぁ。茉莉ちゃんは大事にされてそうだよね。すぐ手を出さないのってそういう意味なのかもね。」

「はい。すごく大事にしてもらってると思います。こんな面倒くさい女より可愛くて由実ちゃんみたいに一緒にいて楽しい人がいるだろうに…」

「へぇ~、茉莉ちゃんそんなこと思うの?彼氏可哀想だよ。浮気してるとかじゃないならスッゴく茉莉ちゃんのこと好きなんだと思うけど?」

「はい…初めてってあの、怖かったですか?」

「うんうん、もちろん!でも好奇心も強くて、私は早く彼氏としたくてどう誘うかって考えてたかなぁ。」

そっか…由実ちゃんの初めてはもちろん好きな人とで、怖いより早くああいうことをしたかったんだ…
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