再びあなたを愛することが許されるのなら
「ここが、僕が住んでいるアパート」
「へぇ―、意外といいところじゃない」
夜の暗がりに街頭の淡い光がアパートを照らしている。
部屋のロックを解除してドアを開けた。
一気に部屋の中のムシムシした空気が僕らを覆う。
「本当に散らかってますけど、どうぞ」
先に部屋に入り、窓を全開に開けた。エアコンのスイッチをつけ二人を部屋の中に通した。
「お邪魔します」沙織さんはちょっと緊張気味な声が印象的。でも那月さんは部屋に入るなり
「すごい! 亜崎君て物凄く綺麗好きなんだ。こんなにきちんと片付いているなんて、几帳面なんだね」