天満つる明けの明星を君に②
何故かとても温かくて心地よくて微睡んでいると、視線を感じてうっすら目を開けた雛乃は――

いつの間にか天満の腕の中に居て、驚きすぎて思わず小さな声を上げた。


「きゃ…っ」


「おはよう。よく寝てたね」


「て、天様…!いつから…」


「ずっと見てたよ。暁が部屋を出てからずっと」


暁が先に起きて部屋を出た後ずっと寝顔を見ていたと悪気もなく言ってのけた天満に絶句したものの、天満の寝顔を見れなかったことと、自分の寝顔をずっと見られていたことがとてつもなく恥ずかしく、二の句が継げなかった。


「起きようか。僕も寝坊しちゃったから、もうみんな起きてるはず」


起き上がった天満の髪に寝癖がついていて、くすりと笑った雛乃はそれを櫛で整えてやると、伸ばされた手を自然に握って部屋を出た。

天満の言う通り居間にはすでに一家が揃っており、食卓には美味しそうな料理がずらりと並んでいて、それらを作った朧と柚葉に慌てて頭を下げた。


「ごめんなさい!寝坊しちゃって…」


「ううん、いいのいいの。その代わり…」


杓子を手ににじり寄って来た柚葉は、柚葉に身体を寄せてこそり。


「後で天満さんと何があったか教えてね?」


「え!?えっと…その…」


「え?雛乃さん、天兄様と進展したの!?」


「しぃーっ!こ、声が大きいです…!」


台所でわちゃわちゃしている時、居間でも天満が朔たちからの追及を受けていた。


「やり切った顔をしているが、そういうことなのか?」


「いやあ、まだですけど、まあ…ちょっとだけ進展はしましたよ」


「天満、詳しく話しなさい」


あちらこちらで恋の話。

渦中のふたりはそれぞれあわあわしながらも、嬉しそうにしていた。
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