天満つる明けの明星を君に②
「ん…」
目覚めた時、傍にうつらうつらしている雛乃の姿が在った。
一体何が起きたのかとぼんやり考えて雛乃の手を握ろうとしたものの、うまく身体に力が入らず、そこで吉祥に毒を盛られたことを思い出した。
「朔兄に殺されてなければいいけど」
「…!天様、起きましたか?どこも痛くないですか?」
「うん、大丈夫。でも身体に力が入らない…」
「晴明様のお薬の影響だそうです。数日うまく身体が動かないそうですから、私が色々お手伝いしますから」
目を瞬かせた天満は、少し色々期待してしまってもぞりと身体を動かした。
「例えば…身体を拭いてもらうとか?」
「!そ…そう…ですね…お手伝い…します」
「風呂に入った時身体を洗ってもらうとか?」
「!!それは…その……や、やっぱりお風呂入りたいですよね。が…頑張ります…」
了承を得たことで俄然笑顔になった天満は、水差しで水を飲ませてもらうと、なんとか手に力を込めて手を伸ばした。
「あれから吉祥に何もされなかった?」
「はい、どこかの部屋に閉じ込められてるみたいです。主さまがとてもお怒りになって…」
「そっか…。僕の父様もそうだけど、家族が危険な目に遭うと目の色が変わるんだ。怖かったでしょ」
「ええ…。でもなんていうか…とてもおきれいでした」
普段は兄妹たちを褒められると嬉しいのだが、頬を赤らめてそう言われると、なんだかいい気がせず、握った雛乃の手に力を込めた。
「ふうん…。まあ僕なんか足下に及ばないほど朔兄は強くてきれいだからね」
「え…でもでも、天様の方がおきれい……な、なんでもありませんっ」
つい想いを口走りそうになって慌てて口を閉じた雛乃だったが、天満のにやつきは止まらず、真っ赤になってずっと言い訳をした。
目覚めた時、傍にうつらうつらしている雛乃の姿が在った。
一体何が起きたのかとぼんやり考えて雛乃の手を握ろうとしたものの、うまく身体に力が入らず、そこで吉祥に毒を盛られたことを思い出した。
「朔兄に殺されてなければいいけど」
「…!天様、起きましたか?どこも痛くないですか?」
「うん、大丈夫。でも身体に力が入らない…」
「晴明様のお薬の影響だそうです。数日うまく身体が動かないそうですから、私が色々お手伝いしますから」
目を瞬かせた天満は、少し色々期待してしまってもぞりと身体を動かした。
「例えば…身体を拭いてもらうとか?」
「!そ…そう…ですね…お手伝い…します」
「風呂に入った時身体を洗ってもらうとか?」
「!!それは…その……や、やっぱりお風呂入りたいですよね。が…頑張ります…」
了承を得たことで俄然笑顔になった天満は、水差しで水を飲ませてもらうと、なんとか手に力を込めて手を伸ばした。
「あれから吉祥に何もされなかった?」
「はい、どこかの部屋に閉じ込められてるみたいです。主さまがとてもお怒りになって…」
「そっか…。僕の父様もそうだけど、家族が危険な目に遭うと目の色が変わるんだ。怖かったでしょ」
「ええ…。でもなんていうか…とてもおきれいでした」
普段は兄妹たちを褒められると嬉しいのだが、頬を赤らめてそう言われると、なんだかいい気がせず、握った雛乃の手に力を込めた。
「ふうん…。まあ僕なんか足下に及ばないほど朔兄は強くてきれいだからね」
「え…でもでも、天様の方がおきれい……な、なんでもありませんっ」
つい想いを口走りそうになって慌てて口を閉じた雛乃だったが、天満のにやつきは止まらず、真っ赤になってずっと言い訳をした。