幼なじみの不器用な愛情
「おうっ。」
走って自分のもとへ来た隆弘に高橋は小さくため息交じりに微笑んだ。
そしてお茶のペットボトルを差し出す。
「サンキュ」
隆弘はキャップを開けて飲み干した。
「少しは落ち着いたか。」
二人はベンチに座り話し出した。
日陰になっているベンチからはバスケのコートが見える。
「今朝早くに呼び出されてさ。この公園に。」
「・・・」
高橋はバスケのコートを見たまま話し始めた。
隆弘はそんな高橋の横顔を見る。
「何度も謝られたよ。」
「・・・」
「頭下げてさ。」
「・・・」
「あんなに泣きはらした目で、謝られたら受け入れないわけにはいかなかった。別れたいっていう華の話。」
高橋が隆弘をちらりと見る。
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