目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「可哀想だと思うのは誰でもそうでしょう。ですが、それで一生を決めてしまうのは感心しません。その方にとっても、社長にとっても良くないと思います」

彼女の反応は良くわかる。
普通はそういう反応だろう。
現に二宮だって信じられないと言うような顔をしていた。
第三者が聞けば、これは相当おかしなことで、憐れみの行為にしか見えないかもしれない。
だが、俺は、それが違うということを知っている。

「三国さん。俺はね、彼女を昔から知ってる。笑顔が素敵で素直な子だった。でも、葬儀で不自然に笑う彼女……百合を見て、嫌だと思ったんだ」

「嫌だ?何故です?」

「こんな笑い方をしてもらいたくない!させたくない!絶対にさせない、その為には俺が側にいて守らないと、って……」

「社長……」

困ったような顔をした三国さんが目に入った。
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