目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
百合から了解を貰ったことは良かったが、もう一つ俺には難関が待ち受けていた。
反りが合わない父親をどう説き伏せるかだ。
仕事第一で、母親や家族のことを蔑ろにし、結局母親が病気で亡くなっても葬式にすら出なかった男。
そのことが蟠りになって、俺は未だに父、一色雅晴のことを許せずにいたのだ。
ただ、仕事は仕事と割りきって余計なことは言わず、当たり障りなく接していた為、周りから見れば、普通の親子には見えていたかもしれない。
俺に社長職を譲ってから、父は第一線から退き、悠々自適な隠遁生活を送っている。
元からあった一色家の実家近くに平屋を建て、一人で住んでいるのだ。
仕事が生き甲斐の男が隠遁生活なんて送れるのか?と思っていたが、伯母が言うにはそこそこ楽しそうにしているらしい。
< 182 / 285 >

この作品をシェア

pagetop