目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「それ、どういうことですか!?」

嫌な予感しかしない。
でも、データを持っている彼女の方が立場が強いから、従うしかない。

「奥様が受け取りに来て?」

「ど、どこに?」

「場所は……そうね。明日、この時間にまた連絡するわ」

「待って!それまではデータは他社に渡さないんですよね?」

「勿論よ。私はね、男と違って約束は守るの」

彼女はその言葉だけ、何故か真剣に言い切った。
ずっと、からかうような口調だったのに、そこだけは真実のような気がした。

「わかりました……」

「言っておくけど、蓮司や三国日菜子に言ったら終わりよ?」

「知ってます。私も約束は守るので」

「いいわ。じゃあ、明日」

そして、電話は切れた。

ツーツーツーという、硬質な音を聞きながら、私はゆっくりと受話器を置いた。
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