目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「葬儀は明日。午前11時から。自宅近くのセレモニーホールで行うそうだ。お前、行けるか?社長だから忙しいか?」

「……ちょっと待ってくれ」

俺はふぅと大きく息を吐いた。
そして、隣で聞いていない振りをする三国さんに尋ねた。

「明日は、何か……予定があったかな」

「……特に。あってもなんとか致します」

普段と変わらず、彼女は手帳を見もせずに答えた。

「ありがとう」

そう一言だけ返し、今度は二宮に言う。

「行くよ。11時だな」

「ああ。じゃあ現地で」

短く言って、二宮は電話を切った。
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