目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
そう言えばあったな。
俺も近しい親族……母親を亡くしている。
だから、そういった部屋があったことは、なんとなく覚えてはいた。
百合を捜すのを一旦諦め、受付で手続きを済まし、係員に導かれるまま葬儀場に入る。
そんなに大きくない場内は、参列者で溢れ返っていた。
用意された椅子よりも、断然参列者の方が多く、係員が急場のパイプ椅子を慌てて用意している。
俺達は、後方に陣取り、前方の教授の遺影を眺めた。
あの頃となんら変わりない、優しい笑顔。
それを見て、俺は激しく後悔した。
どうしてもっと頻繁に連絡を取らなかったのか。
忙しかったとは言え、連絡をする時間くらいあったはずだ。
「最近どうですか?」と、一言でも交わしていれば、今、この後悔はなかったかもしれないのに……。
拳を握りしめ、込み上げてくるものを沈めながら俯く。
すると、隣の二宮が俺を肘で小突いた。
「百合ちゃんがいるぞ?」
ハッとして顔を上げた。
俺も近しい親族……母親を亡くしている。
だから、そういった部屋があったことは、なんとなく覚えてはいた。
百合を捜すのを一旦諦め、受付で手続きを済まし、係員に導かれるまま葬儀場に入る。
そんなに大きくない場内は、参列者で溢れ返っていた。
用意された椅子よりも、断然参列者の方が多く、係員が急場のパイプ椅子を慌てて用意している。
俺達は、後方に陣取り、前方の教授の遺影を眺めた。
あの頃となんら変わりない、優しい笑顔。
それを見て、俺は激しく後悔した。
どうしてもっと頻繁に連絡を取らなかったのか。
忙しかったとは言え、連絡をする時間くらいあったはずだ。
「最近どうですか?」と、一言でも交わしていれば、今、この後悔はなかったかもしれないのに……。
拳を握りしめ、込み上げてくるものを沈めながら俯く。
すると、隣の二宮が俺を肘で小突いた。
「百合ちゃんがいるぞ?」
ハッとして顔を上げた。