俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
祈夜ルート 7話「豹変」





   祈夜ルート 7話「豹変」



 険しい表情で立っていた数人の女性。その内、中央に立ってた長い髪を綺麗に巻き、艶々の唇に大きい瞳、白肌で小顔という美人な女が、口を開いた。可愛らしい声だが、その口調は鋭かった。


 「月夜さん。この方とお話しをしてもよろしいですか?」
 「この子は、僕の弟の恋人だよ。何で君たちが………」
 「何故、祈夜くんの恋人のあなたが、月夜さんと2人きりで店にいるのですか?」
 「それは、私がお兄さんに話があったから」
 

 彩華は椅子から立ち上がり、やや押されぎみな口調でそう言った。彩華の話は本当だ。けれど、彼女達はその答えには納得出来ないようだった。


 「恋人のお兄さんに話って……そんな見え透いた嘘を。どうせ、本当は月夜さんが目当てで祈夜くんに近づいたんでしょ?」
 「なっ………そんな事はありませんっ!私は祈夜くんが好きで!!」
 「だったら、何故その恋人の祈夜くんはいないのですか?」
 「それは、彼女が僕や祈夜くんを心配して、話をしに来てくれたからだよ。彼女の言っている事は本当だよ」



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