綴る本
「この肩当てはね、一般的に普及している鉄で製造されているそれとは違うのよ。ハーメリンスの領地内にある鉱山の一角にて採られた希少の鉱物、それから作られた肩当てなのよ。私達の国が名付けたのだけれど、その鉱物の名前は――アルチャミー・ロック。別名、魔硬化物質鉄。名前の由来はまた機会があれば説明するから省くわよ。それでこの物質には魔法に対する抵抗力が非常に高く、ある程度の魔法レベルから自身を防いでくれるのよ。もちろん、私も立ち合って検証済みだから性能に問題が無いことは保証されているわ。ここまではいいかしら?」
ルージュとフミールは聞いたことが無いのか、感心するような表情を浮かべている。
ユラは話の続きを目で促した。「ここまでの大体話の流れで分かる通りこの訓練は魔法のみ、ということを理解してもらえるわよね。しかし、話が少し戻るけれどこの肩当てで防げる魔法レベルの範囲がどれくらいか? それがこの訓練で重要な部分なのよ。もし、レベルの高い魔法をそのアルチャミー・ロックで防ぐことが出来ず相手を殺してしまう可能性だってあるかもしれない。訓練に使用する実用段階にもっていくには抵抗力の強度範囲を明らかにしておかないと、今の例のような事が起きてしまうのよ。もちろんこれに関しても同様に実証は済んでいるわ。それで、その実証で得ることが出来た範囲というのは、魔法レベルCまでよ」
魔法の心得のあるユラとフミールにしか、今の説明を理解することが出来なかった。
難しい表情を浮かべルージュは難色をしめていた。瞳の奥に不平、不満、嫌悪、劣等感、様々な感情が飛び交い自身を蔑んでいるように、彼女の目を見ればわかっていただろう。
ルージュの表情に気付いたレイミィーが補足するよう説明する。「魔法のランクはEDCBASHまであり、Eが一番低くHが一番高いのよ。他にも例外があるにはあるけど、これらが最低限識っとくべきランク制度よ」
話の折りを見てからユラが疑問を口にした。
「する前に参考程度に聞くが、抵抗力の強度範囲が実証段階を経て魔法レベルCと判断されたと言っていたが、魔法レベルBはもちろん試しているだろ? どうだった?」
ルージュとフミールは聞いたことが無いのか、感心するような表情を浮かべている。
ユラは話の続きを目で促した。「ここまでの大体話の流れで分かる通りこの訓練は魔法のみ、ということを理解してもらえるわよね。しかし、話が少し戻るけれどこの肩当てで防げる魔法レベルの範囲がどれくらいか? それがこの訓練で重要な部分なのよ。もし、レベルの高い魔法をそのアルチャミー・ロックで防ぐことが出来ず相手を殺してしまう可能性だってあるかもしれない。訓練に使用する実用段階にもっていくには抵抗力の強度範囲を明らかにしておかないと、今の例のような事が起きてしまうのよ。もちろんこれに関しても同様に実証は済んでいるわ。それで、その実証で得ることが出来た範囲というのは、魔法レベルCまでよ」
魔法の心得のあるユラとフミールにしか、今の説明を理解することが出来なかった。
難しい表情を浮かべルージュは難色をしめていた。瞳の奥に不平、不満、嫌悪、劣等感、様々な感情が飛び交い自身を蔑んでいるように、彼女の目を見ればわかっていただろう。
ルージュの表情に気付いたレイミィーが補足するよう説明する。「魔法のランクはEDCBASHまであり、Eが一番低くHが一番高いのよ。他にも例外があるにはあるけど、これらが最低限識っとくべきランク制度よ」
話の折りを見てからユラが疑問を口にした。
「する前に参考程度に聞くが、抵抗力の強度範囲が実証段階を経て魔法レベルCと判断されたと言っていたが、魔法レベルBはもちろん試しているだろ? どうだった?」