綴る本
「勿論試しているわよ。魔法レベルBの場合は属性によって破損度合いがまちまちだったわ。完璧に破壊されるのもあれば、罅が生まれるだけのもあるわよ。だから魔法レベルBの使用は無し、というのはわかってもらえるわね」
「その点はわかった。もう一つ聞くが、アルチャミー・ロックの肩当ての部分は防御されるとしてそれ以外の部分は直に肉体に当たる、そう解釈していいのか?」
ユラの問いに、ニヤリと嬉しそうに笑みをレイミィーは浮かべた。得意満面そうに返答する。
「それがそう解釈してはいけないのよ――いいえ、むしろ大抵はそのように考えてしまうのは当然と言えるわ。事実、私もそう考えていたのだから。でも、私達の予想を良い意味で裏切ってくれたわ、このアルチャミー・ロックの肩当てはね。ぐだぐだ説明するよりも、論より証拠、実際に見てもらえば納得してもらえるわ」
レイミィーは妹に向き直り、絶えず笑顔のままだ。
「フミール、一番低いランクの魔法を私に身体の何処でもいいからぶつけて頂戴」
嬉しそうに笑みを浮かべている姉に向かって頷き、内心ほくそ笑んでフミールは言葉を紡いだ。口元に表さなかったのは流石というべきだろう。
「《一筋の閃光は奏でるが如く》」
紡いだ直後、レイミィーの頭上から青白い一筋の閃光がジグザグに飲み込まんと振り落とされた。 瞬間、ドンッ! と地鳴りが空間を響かせ、振動が床を駆け巡る。
突然この場面を目撃した人がいれば、無防備な相手に容赦の無い一撃が襲い掛かったといっても過言ではない状況に思わず絶句、絶叫しても不思議ではなかった。それほどまでに異様な光景といえる。
レイミィーの周りは白い煙がもくもくと立ち込め天井へと昇っていき、その足元には黒焦げたような跡がくっきりと残されていた。その威力の内が窺い知ることができるだろう。
暫くして白煙が消えていくと、頬がヒクヒクと引き吊った笑みを浮かべたレイミィーの姿が現れた。外傷は全くの無傷で、アルチャミー・ロックの肩当てがいかに凄いかがまじまじと見せ付けられたといえる。ただ、強いて言うならば、ランゴの実が破裂していたことが何とも言えなかった。
レイミィーは腰に手を当てて、変わらず引き吊ったような笑みを浮かべている。
「その点はわかった。もう一つ聞くが、アルチャミー・ロックの肩当ての部分は防御されるとしてそれ以外の部分は直に肉体に当たる、そう解釈していいのか?」
ユラの問いに、ニヤリと嬉しそうに笑みをレイミィーは浮かべた。得意満面そうに返答する。
「それがそう解釈してはいけないのよ――いいえ、むしろ大抵はそのように考えてしまうのは当然と言えるわ。事実、私もそう考えていたのだから。でも、私達の予想を良い意味で裏切ってくれたわ、このアルチャミー・ロックの肩当てはね。ぐだぐだ説明するよりも、論より証拠、実際に見てもらえば納得してもらえるわ」
レイミィーは妹に向き直り、絶えず笑顔のままだ。
「フミール、一番低いランクの魔法を私に身体の何処でもいいからぶつけて頂戴」
嬉しそうに笑みを浮かべている姉に向かって頷き、内心ほくそ笑んでフミールは言葉を紡いだ。口元に表さなかったのは流石というべきだろう。
「《一筋の閃光は奏でるが如く》」
紡いだ直後、レイミィーの頭上から青白い一筋の閃光がジグザグに飲み込まんと振り落とされた。 瞬間、ドンッ! と地鳴りが空間を響かせ、振動が床を駆け巡る。
突然この場面を目撃した人がいれば、無防備な相手に容赦の無い一撃が襲い掛かったといっても過言ではない状況に思わず絶句、絶叫しても不思議ではなかった。それほどまでに異様な光景といえる。
レイミィーの周りは白い煙がもくもくと立ち込め天井へと昇っていき、その足元には黒焦げたような跡がくっきりと残されていた。その威力の内が窺い知ることができるだろう。
暫くして白煙が消えていくと、頬がヒクヒクと引き吊った笑みを浮かべたレイミィーの姿が現れた。外傷は全くの無傷で、アルチャミー・ロックの肩当てがいかに凄いかがまじまじと見せ付けられたといえる。ただ、強いて言うならば、ランゴの実が破裂していたことが何とも言えなかった。
レイミィーは腰に手を当てて、変わらず引き吊ったような笑みを浮かべている。