身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「礼華、俺はずっと見合いの日から彩音さんじゃないと知っていた。それでも礼華とお見合いを続行したかったし、礼華と一緒に暮らしたかった。でも、あの時そのことを正直に言ったら、俺と一緒にいた?」
その問いに、私はあの頃を思い出す。
悠人さんのような人が相手だとわかっていたら、私は釣り合わないとか、身の丈がという理由で、一緒にいなかっただろう。
お姉ちゃんの代わりだから仕方なく、デートも同居も了承したのは確かだ。

「いなかった……ですね」

「だろ?だからずるいとは思ったけど、どんな手を使ってでも、俺は礼華と一緒にいたかった」
その言葉に、今度は違う涙があふれ出る。
「それに俺はずっとあやかだと思ってた。だから一度も彩音って呼んだことはないよ。いつもきちんと、礼華を呼んでいたつもりだよ」
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