身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「解決?」
「結婚はします」
「ふざけるな!薫子がお前に気持ちをよせていることなどわかっているだろう」
珍しく声を上げた玄武さんに、俺は驚いて目を見開いた。
いつも冷静で、威圧的な感じはあるものの、狼狽することや、声をあげるのを初めて見たかもしれない。
色々女の噂などの絶えない人だが、自分の娘は可愛いのだろう。
「申し訳ありません。私には心に決めた人がいます。そのことで社長の座に就くことができないとしてもかまいません。薫子には申し訳ないと思います。しかし、このような気持ちで結婚をしても薫子を不幸にするだけだと思っています」
一気に言葉にして、俺は改めて社長になることよりも礼華とのことを譲れない事を自分に気づく。
「心に決めた相手がいるだと?」
「はい」
俺の返事に、玄武さんはすこし考えるような表情を浮かべた。
「それは会社の女子社員か?」
「それをどうして?」
礼華が会社の人間だと言う事は、ごく一部の人しか知らないはずだ。
「薫子が納得するか……」
俺の言葉に小さくため息を付くと、玄武さんは表情を一転させた。
「お前も知っての通り、わしは薫子を甘やかしすぎた」
そこまで言うと大きなため息とともに、玄武さんは俯いてため息を付いた。