身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「更科さん、私の部屋で話をしよう。それと真鍋さん、もう少し後で時間をくれないか?」
「どうしてよ。真鍋さんになんの話があるのよ?」
いらだったような薫子に、俺の苛立ちはピークになった。
「そんなことお前が一番知っているだろう!」
薫子に対して初めて見せたかもしれない苛立ち。
昔から感情を出すことなく生きてきた。
それを見てきた薫子にとって、声を荒げた俺ははかなり衝撃だったのだろう。
驚いたように見開いたその瞳に、俺は大きく息を吐いた。
すっと立ち上がり薫子が無言で部屋を出るのを見ながら、俺は真鍋さんを見た。
「真鍋さん、もう少し会社に残ってくれ」
その言葉に真鍋さんが頷くのを確認すると、俺も秘書室を後にした。