身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「そんな風に思ってたの?俺は彩がいるだけで心が温かくなるよ」
またもや大村さんでなければ、許されないかもしれない甘い言葉に私は恥ずかしさから大村さんをキッチンから追い出す。
「勝手に冷蔵庫みますよ」
それだけ言って後ろを向いた私に、甘く優しい「ありがとう」という言葉が聞こえた。
「あれ?食材もいっぱいだし、このタッパーは……」
「ああ、家政婦さんが週3日きてくれて、材料は入れてくれてるから、好きな物使って?」
家政婦さんがいることにまず驚いたが、この家を維持すには必要だろうし、当たり前なのかもしれない。
そう思いなおし、私は高級食材がたくさん詰まった冷蔵庫を物色する。
高級ハムに、高そうな肉……どれもこれもきっとおしゃれな料理になるかもしれない。
しかし、私と言えばもっぱら庶民の和食しか作れない。
おしゃれな料理など作ることが出来ないわけで……。