身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
私の不安とは違ったようで、少しホッとすると、私は大村さんを席へと促す。

「あの、じゃあ食べてもらえますか?味の保証はできませんが」
男の人に料理を作って食べてもらうことなど、初めての私は恥ずかしくてキッチンへと向かった。

「ああ、彩も早く座って?一緒に食べよう」

「はい」
そう言われては、もう逃げ場はなく自分の作った料理を、目の前の人が食べるのを見るしかなく。

「アルコールは?飲みますか?」
それでも落ち着かず、私は言葉を続けると、大村さんはクスリと笑みを漏らして首を振った。

「今日は酒はやめとく」
その言葉と同時に綺麗な所作で箸を手にした。

「食べていい?」

「もちろんです」

私の返事を聞くと、「いただきます」ときちんと言うと、大村さんはお味噌汁に手を伸ばした。
< 48 / 183 >

この作品をシェア

pagetop