身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
しばらく沈黙が続いて、私は机をぼんやりと見ていた。明日香は思い直したようにピザに手を伸ばすと口に入れて無言で咀嚼している。

「でも、ここまで黙ってるってことは、礼華が少なからずその人に好意を持っているってことよね?」
図星をつかれて私は、ビールを一気に飲み干す。

「わかっちゃった?」
「わかるわよ。礼華の性格からして、嫌な男と一緒にいる訳ないし、ましてや同居なんてするわけないもの」
その言葉に私は何も言えない。
「どうしよう……」
「どうって。正直に話せそうなの?私はどういう人か知らないし」

「優しい人だけど、騙したことを話したらどんな反応をするのか……」
いくら優しくても、はいそうでしたかで済む話ではないだろう。

「でも、早い方がいいんじゃないの?謝るにしても」
明日香の言葉が重く心に響く。それはずっと思っていたことだった。
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