見ツケテ…
「みんな……あたし、どうして……?」


美奈は混乱したように周りを見渡している。


自分が今までどこにいたのか、どうしてここにいるのか全く覚えていない様子だ。


でも、とにかく美奈はあたしたちの元に戻って来てくれたのだ。


誰かが呼んでくれたのか、救急車の音が遠くから聞こえて来た。


美奈は直弘に抱きしめられながら、その場に座り込んでいる。


「池に落ちた時、友江さんの感情が流れ込んできたことだけは覚えてるの」


美奈は体を震わせて呟いた。


「友江さんは本気で館下先生のことを愛してた。とても、強く……」


美奈が直弘の手を握りしめた。


「だから、わざと妊娠したんだって。それで殺されるかもしれないってことも全部わかっていて避妊具を付けさせなかったって。


この世には奥さんがいるからあの世で一緒になるために仕掛けたんだって。ねぇ直弘、あたしも、あの人みたいに強く人を愛したい」


救急車の音が迫って来て、美奈のそんな呟きはかき消された。


美奈の顔は奇妙にほほ笑んでいて、その口からはゴポッと音を立てて緑色の水がこぼれ出したのだった……。




END

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