愛され秘書の結婚事情

「それより七緒さん」

「はい」

「そこのシンク台に出てる卵と牛乳、出しっぱなしで良かったの」

「え? あっ!」

七緒は慌てて立ち上がり、放置したままの食材を手に取った。

「すみません。すっかり忘れていました」

「もしかして、今から朝ご飯だった?」

「はい。あの、フレンチトーストでも作ろうかと……」
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