悪役令嬢になりきれませんの。
メイドと令嬢






おはようございます。只今の時刻、時計がないので腹時計でだけど。多分、午前8時を回ったころです……目覚めた私は鏡の前にたち、瑠璃色の腰下までのストレートの髪に猫の目のようなつりめに藍白の綺麗な瞳。誰もが憧れる体型の美少女を目に固まっております。だって、鏡に移る人物は……前世で見た事のあるゲームのパッケージの悪役令嬢様だったのだから……




「何これ……おかしいおかしい……確かにね。さっきまで、美と力の神ハナルルリア様って美女に転生させてあげる!うふっ!って言う話をされてたんだけど……まさかのまさかッ……ゲームの世界の悪役令嬢に転生するとは思わないじゃん?しかも何?この子少し前に死んじゃってるって話じゃん?もふもふな猫に目を取られ馬車から転落死?シャルネラ!良くやった!!悪役令嬢よくやった……じゃなくって!!」





鏡に移る私に話しかける私……痛い子じゃんと思いながらもこれからのことを考える。悪役令嬢なんて私に勤まらないよ?しかも何?シャルネラ・マルフィードはこの国の王太子と婚約者で?ヒロインをいじめたとかで婚約破棄されて、断罪?落ち攻略キャラそれぞれ同じ断罪されて殺されんの?ってか、どれもおなじ罪で死ぬなんて……開発者サボりすぎだわッ!!……違う違う……話がズレたけど……嫌だ怖い……ッ!!




取り敢えず、殺されないためにも誰にも会わない!!ってか、怖くて会いたくない!!なんて思っていたが、ノックオンが聞こえ一人の女性が入ってくる……その女性はリアルメイド……ロングメイド服を来ていて、赤い長い髪を後ろの高い位置で縛り、猫のような目の形に金色の瞳をして凛々しいけど……可愛いッ!!じゃなくて、私に気づいた女性が私を驚いた顔で見るが、それは一瞬……今は嬉しそうに目を輝かせ私に近寄ってくる……





「おじょ「いや!!来ないで!」ッ……お嬢様。私が知らぬうちに、お嬢様のお気に触れる何かをしでかしたでしょうか。何か粗相をしたなら。私、ラルラはお嬢様の専属メイドとしてこの身をもって「何もしてない!粗相なんかしてないから、その手に持っているナイフ……にしてはでかい剣を捨てなさいっ!!」




私が来るな。と言った瞬間綺麗な金色の瞳を濁らせ何かを呟きながらもポケットからナイフとは言い難い、研ぎ澄まされたスラッとした細長い剣を取り出す。なので慌ててラルラと名乗ったメイドの手を掴んで止める。



「なりませんお嬢様!!お嬢様のメイドとして、粗相は死罪!!お嬢様が許しても私の心が許さないのです!」



「じ、じゃあ!血がみたくないの!私の部屋を汚すき!?」


「はっ!申し訳ありません!!ならばお嬢様の目にふれぬ所で!!」




ああ言えばこう言う。部屋から出ていこうとしたラルラさんにイラッときた私は彼女を睨みつける。一瞬怯んだ彼女に冷たくほほ笑みかける




「死ぬなんて許しません。」




そう言ったら、彼女は驚いた顔をした後、剣をしまい跪く。そうかと思えば右の手を自分の胸にあて誓のポーズ。え?なに?何を誓うの?ってか、私のメイドって戦うメイドさんなの!?




「お嬢様が生きて償えと仰るなら私は生きて償います……私の残りの人生はシャルネラ・マルフィード様の為に。」



「へ?」



いやいやいや。違う。違うから!!私に命かける価値もないから!!辞めてれーー!




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