悪役令嬢になりきれませんの。
冷蔵庫の中ってこんな感じなのかな?令嬢





我家の紋章が描かれた馬車に乗り、お城まで向かうなか、お母様は機嫌が宜しくないようだ。どうやら、城について挨拶を済ませれば昨日の件を王妃殿下にチクるとか何とか……





お城の門を潜りしばらく馬車を走らせた頃、馬車がゆっくりと止まって、扉が開く。お父様が先におりて私、お母様と続き降りる。






「マルフィード伯爵よく来てくれた!マルフィード伯爵婦人もより美しくなった!!」







なんて、ゴテゴテと勲章を付けたこの国の王が城の中に続く門の前で出迎えてくれた。






「アラマスカルン。国王陛下。」





なんて、お父様が挨拶をすれば肩苦しい挨拶はよしてくれよォ~と、言う国王陛下。私は、ただじっとお母様の少し後ろに国王陛下と目を合わせず、控えていれば国王陛下が私の前に歩いてくる。





「おぉ、君がサルマとアベスティーナの愛娘か……」






ここでやっと目を合わせて華麗にお辞儀をする。






「アラマスカルン。国王陛下。ワタクシ、サルマドラ・マルフィードとアベスティーナ・マルフィードの娘、シャルネラ・マルフィードと申します。お目にかかれて光栄でございます。」






そんな私にキリッと国王の顔をして挨拶してくれたかと思えば、ヒョイと抱き抱えられる。






「よし、やっと2人の目に入れても痛くない愛娘に会えたのだ!!堅苦しいのはなしにして早くお菓子を食べよう!お茶は甘めがいいか?それともストレートか?お菓子は好きか?」






ずんずんと歩いていく国王陛下に私は四苦八苦しながらも両親に助けを求めたが……すごく怖い顔で微笑んでいらっしゃった。国王陛下もビシビシと視線を感じておられるだろうに。私は両親……主にお父様を見なかった振りをして、国王陛下に隠れるようにしながらも質問?に答えた抱えられながらどこかの部屋にと入る。








「アラマスカルフ。よく来てくださいました……その、ごめんなさいね、アベスティーナ。そう、怒らないで……サルマドラ伯爵もシャルネラちゃんもごめんなさいね……」






なんて、お父様とお母様が挨拶する前に先手を打ってくる、王妃殿下。それに、私たち家族は挨拶をして、両陛下に勧められるまま席に着くと、メイドさんがお茶をいれてくれる。







「シャルル。昨日あなたの息子さんにあったわ!わたくし、【ここからここまで】なんて言う買い物の仕方、初めて聞きました。」





ちょ、お母様!?王妃殿下の息子さんってことはこの国の王太子なんだから、もう少し言葉を






「えぇ。私達もどうしょうもないバカ息子で頭を悩ませているのです……」





あ、両陛下は特に気にしておられないんですね!?驚きです!なんて、可愛い可愛い、これもおたべ!とお菓子を国王陛下に勧められるままもぐもぐしてれば部屋の扉を叩き返事を待たずに入ってくる人物が1人……






「父上!母上!シャルネラが来ていると聞きましたが」





「これ!サーネル!!返事を待たずに部屋に入っては行けないと何度も言っているでしょ!」





「あー。はいはい。おい!シャルネラ!ここにいても退屈だろう。俺と遊ぼうぜ!!」





え、良いのかそれで。王子様のご両親、頭抱えちゃってますが?なんて、お母様仕込みの笑顔を崩さず困惑した雰囲気を醸し出していたが、王子様はその雰囲気を察すことなく私の腕をつかみ部屋から引っ張って出ようとした。






「お待ちください。サーネル王子、我が子を許可もなく部屋から連れ出そうとしないでください。」





静かに立ち上がったお父様。ニッコリと微笑んでいらっしゃいますが……なんて言うか、目が怖いです。例えでいえば、遊園地にある【冷凍庫の温度体験!!】なんて言うアトラクション?の中の冷たさです。え、例えが分からない?……まぁ、そんな感じです。お母様より怖い。





お父様の静かな怒りは国王陛下や王妃様まで有効なのか、若干顔が引きつっているような気がする……のはきのせいではないはず。





「すまない、マルフィード伯爵。だが、大丈夫だ!!なぜなら、シャルネラは私の婚約者になるのだからな!!さぁ!行こう!」





「誰が誰の〖婚約者〗ですって!?国王陛下!!これはどういうことです?わたくし、答えによっては……」





ウフフ……なんて、静かに立ち上がり目が笑っていないがわらっているお母様……お父様とお母様の気配(殺気)で両陛下が冷や汗を流し同時に立ち上がり、国王陛下はお父様を王妃様はお母様を落ち着かせている。





そんな光景が遠慮なく遠ざかる……なぜなら、お父様達が言い合ってるうちにも私は王太子様に部屋から連れ出されているのだから……






お父様……お母様……まずは王太子を何とかして欲しかったな…………。

















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