悪役令嬢になりきれませんの。
学園舞踏会の令嬢





パーティー当日の朝。
まだ日も目覚めていない早い時刻にメイド長とラルラが起こしに来たかと思えばお風呂場に放り込まれ、お風呂場にあるお母様専用の美容室に連れ込まれたかと思えば3時間ビッチリマッサージやら肌の手入れをされ、その後肌のケアをされながら約1時間の入浴。そして、お風呂後軽くマッサージを受ければちょうどいい時間で朝食を家族みんなで食べて。からの、お母様と肌磨き。






先程約四時間もしたのだからもういいじゃない。と、弱音を履いた私に絶対零度の母の笑みで口にチャックをかけ。なされるままになっていれば気づけば昼食。もみくちゃにされた私は食事も何ものどを通さず、残そうとしたが。舞踏会は立食、しかも挨拶やらでものを食べる時間が無いから今のうちに食べておきなさい。と言う母の言葉に私は無理やり押し込んだ。






昼食の後はしばらく自由時間でソファーでくつろいだ。そして、夜を知らせる鐘(午後6時)がなる2時間ぐらい前にドレスやらの着替えが始まる。






「まぁ!素敵!さすがお嬢様ですわ!」





「ま、まるでお嫁様みたいです……嫌です!お嫁に行かないでぐださいお嬢様~~」





「ちょ、ラルラ!離れなさい!お嬢様のドレスにシワが着いちゃうじゃない!」









ゲームのような真っ赤なドレスに真っ赤なヒール……ではなく、結婚式に着るような真っ白な純白のドレスをイメージするマーメイドラインのドレスに身を包んだ私を見てメイド達が騒ぎまくる。ラルラもその1人で、私にお嫁に行かないで!と抱きつくしまつ。







「ラルラ、落ち着いて。私が嫁いでもラルラも一緒だから心配ないわ。学園が開催する舞踏会だと言っても都心にいて参加出来る大勢の貴族様たちも参加するのよ。それだけではないわ、あの、両陛下まで参加するって言うじゃない……だから私は王太子殿下の婚約者として恥ずかしくない令嬢になってみせるわ!!」







「その意気です!シャルネラお嬢様!!」





「シャルネラお嬢様なら王太子殿下だけではなく、大勢の男性を射止められますよ!!」







なんて、何故か張り切り十分に飾られた私をさらに飾り立てるメイド達。白、と言う難しい色に着せてもらってる。という感じではなく着てあげてる。と言うふうに浮くことなく丁寧に仕上げてくれる。






白は人を選ぶ。と言うけれど、これはきっとメイドさん達がいなかったら私、確実に浮いてたわね。なんて、思っちゃったりして。















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