社長の溺愛にとかされて
結局最初に買う事にしたのは、たこ焼き。

あまりにもまとめて買いすぎると、持てなくなると言う、
ごくまともな意見に賛成して、まずはそれだけ。

「たこ焼き最高!」

「ま、定番だな」

「ほくほく~、鰹節踊ってる」

たこ焼きの熱さで、鰹節がゆらゆら揺れているのを見ながら、爪楊枝をさす。

「あー」

中がとろとろのたこ焼きは、爪楊枝をさすとぱっくり割れてしまい、
中のタコが覗いていた。

「よし」

予期せず出て来たタコに爪楊枝をさし、ぱくりと食べる。
あータコだーと当たり前の感想をのべつつ、つぎに周りの部分を食べる、
外はカリッと、中は柔らかく、ソースが絡み本当に美味しかった。

「外で食べるのって格別!」

「たこ焼きもそんなに美味しそうに食べてもらったら、幸せだよ」

「そうかな?」

慎也もたこ焼きを頬張っている、「けっこう熱いな」と、
ふーふーしながら頬張っていて、ほんわかした気分になった。
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