太陽に抱かれて

第五話 *大人な描写有


 リネンのカーテンから光が差し込んでいる。窓際の白いシーツの皺を映し出すほどの、そこが寝室だとわかるには充分な淡い光。

 静閑とした森に踏み込んだかのようだった。ひんやりとした空気が肌を包む。ただ、腕に伝わる生々しい温度だけは、これから起こることをあたかも知っているかのようにとくりとくりと心臓を()りたてた。

 きっとその森には神獣が潜んでいて、今まさにかの聖なる存在に生贄を捧げる儀式が行われようとしているところだ。罪を犯し、その贖罪を求めてその身を捧げる者と、それを受け入れる者。
 大きな石の上にやがてももは体を横たえることだろう。

 バタン、扉を閉じる音がして、ももは小さく体を揺らした。首をゆっくりと擡げると、暗闇の中で、緑褐色の瞳がももを射抜く。
 刹那、大きな影が彼女に覆い被さった。

 唇に触れる、ザラついた、感触。
 突然のことに、ももは驚かなかった。それどころか、彼女はシモンの口づけを受け入れていた。

 ねっとりと、唇を熱い舌でなぞられる。唇のあわいを、ぷっくりと膨らんだ中央を、そして、すべてを。なぞっては、包み、包んでは、なぞり。まるで、彼女のそれがどんな形をしているのかを確かめているかのようだった。


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