ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
蒼井だよね?
その女子生徒は・・
なんで
入江先生は蒼井の話を
この離任式でしようと思ったんだろう?
「静かに!!!!」
司会の教頭がざわつきを制した後、入江先生に鋭い視線を投げかけた。
“何を言い出すんだ?” といわんばかりの目で。
確かに “気にせずにはいられない男子生徒” なら
こんなにざわつくことはなかっただろうから
教頭も目を光らせることはないと思う
でも、入江先生が口にしたのは男子生徒ではなく女子生徒
口うるさい教頭が入江先生を牽制してもおかしくはないけれど・・
あたしは入江先生が何を考えて離任式という場で蒼井のことを持ち出したのか
気になるよ・・・・
「その生徒は専門的な知識がない僕が見てもバレーの才能があると思えた人だった。だから顧問だった僕は彼女に期待をせずにはいられなかった。」
教頭の目が光り続けている中でも入江先生は言葉を続ける。
「でも、そんな彼女がバレーを続けられなくなるような怪我をして・・・・バレー部を辞め、彼女がいて当たり前だった僕の前から消えた。ぽっかり心に穴が開いた・・・そんな状態で教師を続けてもいいかと思うぐらいの気になったぐらい。」
呟くようにそう言葉を紡いだ入江先生の顔は切なそうだった。