ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方


昨春。
新人歓迎会の帰りに八嶋クンに背負われてこの駅のホームを移動した。

そして今、

『・・・・・・・・』

あたしは入江先生に手を引かれたままここを歩いている。


でもその状態はずっと続くことはなく、
改札口で切符を出すために引かれていた手を放された。

その手で切符を取り出さなきゃいけないのに
なにか物足りなさを感じてしまって。



「高島、急ごう。」

『・・・ハイ!!!!!』


今日のあたしは入江先生に導かれてばかりいるような気がする。
そして無事、改札を抜けたあたし達は自宅のほうへ向かって歩き始めた。



「この辺り、夜は人通りどころか通る車も少ないんだな。」


『・・・・そうなんですよね。』


ふたりきりで歩く自宅までの道のり。

何を話していいのかわからないあたしを見抜いたのか
入江先生から話し出してくれた。


『友人と浜松駅で飲んだ帰りとか、ダッシュでここを駆け抜けるんですよ~。これだけ人がいないと怖くて。もう少し街灯とかつけてくれればいいんですけどね。あっ、でも、通勤は車であんまり電車を使わないあたしがそんなこと言う資格とかないですよね?』


せっかく話をするきっかけを貰ったんだから、なんとか話を繋がなきゃと必死なあたし。


「いいんじゃないか?高島だけがそう思っているんじゃないだろうから。」


いつものような会話が悪いわけじゃないけれど
自宅までの道のりは残りわずか

入江先生に聴きたいことがいっぱいあるのに
何ひとつ聴けていないような気がするという想いで
あたしは焦る一方だ


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