ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
「・・・・実は同じこと、考えていた。今日、俺は高島と学校でロクに顔を合わせられなかったから。じゃあ、行くか?」
本当はアパートの駐輪場に自転車があったんだけど
ふたりとも送別会でお酒を飲んだ後だったからその申し出をするのはやめた。
『ハイ。頑張って歩きましょう。』
あたし達はまた歩き始めた。
先をゆく入江先生の背中を追うように人通りの少ない細い路地を抜けて、車通りがある幹線道路へ出た。
ようやく隣に並んで歩き始めたあたし達。
「寒くないか?」
『歩いているせいか、むしろ温まってきたぐらいです。』
「そうか、よかった。風邪ひかせるわけにはいかないからな。」
『ええ、まあ・・・』
ついいつもみたいに正直に答えてしまった
こういう時は寒いというべきなのかな?
そうしたら
肩をグイッを抱き寄せられたりして
甘いムードになったりするのかな?
あ~、自分でそういうチャンス逃しちゃったというか
妄想しすぎ・・だよね?
『い、入江先生?!』
「指、冷たすぎ。」
密かに自分の言動にガッカリしていた矢先に
不意に捕まれたあたしの右手の指先。
するりと彼の左手の長い指と絡んだあたしの右手は
「嫌なら離せよ。」
導かれるように彼のコートのポケットに吸い込まれた。